排尿に困っていませんか?
-
急にトイレに行きたくなり、がまんできないことがある。
-
1日8回以上トイレに行く。
-
夜間に1回以上、排尿のために起きる。
-
急にトイレに行きたくなり、がまんできずにもらすことがある。
泌尿器科といえば恥ずかしいとかハードルが高いというイメージがあるために女性にとっては受診をためらいがちな診療科であると思います。
女性の排尿障害や泌尿器科疾患には、頻尿、尿路感染症、尿失禁、過活動膀胱、骨盤臓器脱、間質性膀胱炎、尿道憩室などがあります。
例えば、頻尿は膀胱炎、骨盤臓器脱、過活動膀胱、多飲多尿(飲水過多)など様々な病態が原因となっています。
これらの疾患は女性の皆様の生活の質を損ねることが多く、潜在的な女性患者様は40歳以上では43.9%、60歳以上では約50%存在するといわれています。
また、複数の病因が重なり合っていることも多く、治療の前に正確な病状の確認が必要です。
当クリニックでは排尿症状を数字化および可視化して皆様に満足していただけるような診療を行います。
また、当クリニックでは火曜日午後に女性専用外来日を設けており受診しやすいようになっています。 どうぞお気軽にご相談ください。
排尿時の痛み・残尿感・膀胱炎等
一般的には膀胱炎を疑います。膀胱炎は比較的女性に多いのが特徴です。大腸菌が起因菌となり、抗菌薬で改善することが多いです。膀胱炎を繰り返す場合にはさらなる検査をすることがあります。
膀胱炎
膀胱炎は、大腸菌(E.coli)と呼ばれる一種の細菌によって引き起こされる、膀胱や泌尿器系の感染症や炎症のことです。その結果、尿意切迫感、血尿、排尿時の灼熱感が生じます。
膀胱炎の原因
膀胱炎の原因はタイプによって異なります。感染性膀胱炎は細菌感染が原因ですが、非感染性膀胱炎には間質性膀胱炎、異物膀胱炎、化学的膀胱炎、薬物誘発性膀胱炎、放射線膀胱炎などがあります。
女性に膀胱炎が多い理由
女性は尿道が短く、尿道と肛門が近いため、細菌が尿道から入りやすく、男性よりも膀胱炎になりやすい構造をしています。そのため女性の場合、原因となる菌は大腸菌がもっとも多いです。
膀胱炎の予防
膀胱炎の予防には、水分を多めに摂り、頻繁に排尿することが重要です。
膀胱炎の予防については以下のことが推奨されています。
- 水分をたくさん摂り、排尿の頻度を上げることで、尿と共に膀胱内で増殖した菌を外へ出すことができます。
- 膣と性器を洗い、清潔で乾燥した状態を保ちます。
- 性交後に膀胱を空にします。
- 性器に消臭剤やスプレーをつけないようにします。
膀胱炎の治療
膀胱炎の治療においては抗生剤が処方されます。抗生剤には感染症の原因である細菌を殺す効果があり、抗生剤を服用し始めてから通常1~2日以内に症状の改善が見られることが多く、およそ3~5日以内に治ることがほとんどです。
ただし、症状が改善しても処方された抗生剤は途中でやめずに飲みきるようにしてください。抗生剤を飲み切らないと、膀胱内から細菌が完全にいなくならず、再発する可能性が残ります。また、必ずもう一度病院を受診して膀胱炎が改善しているかを確かめることも非常に重要です。
慢性膀胱炎
急性膀胱炎の発症後、数日から10日程度の急性期を過ぎても排尿痛、残尿感、頻尿などが残っているもの、また全く自覚症状はないものの、検尿の沈渣で赤血球、白血球が高視野で5~6個以上認められるものを一般に慢性膀胱炎と呼びます。また、尿所見には異常なく、自覚症状のみがある膀胱神経症を慢性膀胱炎に含める場合もあります。慢性膀胱炎については原因不明のことが多く、まずは器質的な疾患の除外を行います。
膀胱結石、結核といった基礎疾患や便秘などがあれば、まずこれらを治療します。また膀胱内に悪性腫瘍がないかどうか尿細胞診によるスクリーニング検査を行います。基礎疾患の関与が少ない慢性膀胱炎で、尿培養で有意な細菌数が検出される場合は、急性膀胱炎と同様の治療を行います。それでも治癒せずに長期化した場合は、間欠的抗生物質投与と消炎酵素剤の投与がよく行われています。慢性膀胱炎に対する漢方治療では、利尿効果と消炎効果を期待して猪苓湯あるいは猪苓湯合四物湯が用いられます。検尿で軽度の血尿を示す例には、より有効ともいわれます。中年以降の女性に多く、冷えがあり免疫機能の低下している場合にみられます。
女性の尿路不定愁訴
泌尿器科領域の種々の症状の中で頻尿、尿漏れ、排尿時痛、下腹部痛、会陰部の違和感など多彩な症状があるにもかかわらず、いずれも器質的な原因を認めないものをいいます。
膀胱炎に似た症状を示す不定愁訴として、更年期以降の女性によく見られる頻尿を主体とした膀胱炎様症状(尿道症候群)があります。女性ホルモンの減少で生じるものと考えられ、漢方治療では、残尿感、排尿時痛については猪苓湯を使用します。冷え、のぼせのある例には加味逍遙散が有効といわれます。さらに貧血気味であれば当帰芍薬散を用います。
気になる方は一度、当クリニックを受診してください