排尿に困っていませんか?
排尿障害は様々な要因で起こります。
患者様の中には『尿が出にくい』という排尿症状とか『尿が近い・頻尿』という畜尿症状に困っている方は多くいます。
これらの症状は前立腺肥大症だけが原因ではありません。
排尿障害は様々な障害や原因を認めていることが多く、これらを包括して『下部尿路障害』と定義されています。
また排尿障害は、個人のライフスタイルや年齢によっても大きく変わっています。
当クリニックではできるだけ患者様の症状を数値化や可視化することで、患者様の満足度を高められるように診療させて頂きます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
排尿障害
排尿障害とは、尿をためて体外に排出するまでの過程に異常が生じ、尿をうまくためられない、あるいは尿をうまく出すことができない状態を指します。排尿障害の代表的な症状に頻尿、尿線の狭小化、尿失禁、尿意切迫感、残尿感があります。
排尿障害は、尿をうまくためられない「蓄尿障害」と、たまった尿をうまく出せない「排出障害」の2つに大きく分類されます。どちらもさまざまな原因が考えられます。
排尿障害の原因にはさまざまな病気が関係していますが、そのほとんどが命に関わるものではありません。しかし、排尿に関する症状は日常生活に大きな影響を与え、QOL(生活の質)が著しく低下することが多いといわれています。
排尿障害の主な治療には、生活習慣の見直し、行動療法、薬物療法、手術があります。原因や症状の程度などに応じて治療法を決定します。
PSA高値
PSAは「前立腺特異抗原、prostate-specific antigen」の略語です。PSAが高いと前立腺癌の可能性があります。
PSA検査は、前立腺がんを早期発見するための最も有用な検査です。この検査は、血液中にある前立腺に特異的なタンパク質の一種「PSA」の値を測定するもので、採血のみで行われます。がんや炎症により前立腺組織が壊れると、PSAが血液中に漏れ出し、増加します。血液検査でPSA値を調べることによって前立腺がんの可能性を調べます 。
PSA検査とMRIの併用
MRI検査は近年広く用いられるようになってきた画像検査です。前立腺がんの存在診断の予測に極めて有用な検査です。MRIの結果だけではがんの確定診断はつきませんが、組織検査をおこなった方がよいかどうか判断する材料となります。
これらの検査はそれぞれ異なる目的で使用されます。PSA検査は血液中のPSA値を測定することで前立腺がんの可能性を判断するものです。一方、MRI検査は画像診断を行うもので、前立腺がんの存在診断の予測に有用です。これらの検査は併用することでより正確な診断を行うことができます。
血尿
血尿については大きく分けて顕微鏡的血尿と肉眼的血尿があります
顕微鏡的血尿
目でみて尿の色の変化はわからないものの、尿検査にて血が混じっている状態を顕微鏡的血尿といいます。顕微鏡的血尿でも、がんなどの重要な病気の危険信号の場合がありますので注意が必要です。健診やかかりつけの病院で血尿を指摘されたら、お気軽に当クリニックへご相談ください。
肉眼的血尿
目に見えてわかる「血尿」を肉眼的血尿と言います。肉眼的血尿が出た場合、まず除外すべき疾患は膀胱がんとなります。
※特に喫煙者では膀胱がんのリスクは高くなります。
まずは超音波や尿検査にて大まかに膀胱をはじめとした尿路系の検査を行い、膀胱の中を詳細に観察するために膀胱鏡にて検査を行います。
さらなる詳しい検査として上部尿路(腎臓から尿管にかけて)の検査を行います。具体的には造影CT等の検査を施行します。(造影CT等の検査は近隣病院にお願いしています。)
膀胱がん 尿管がん 腎がん等の異常があれば連携病院に御紹介させていただきます。
尿路結石
尿路結石は、尿の通り道である「尿路」にできる石のことです。
結石は、腎臓か尿管で見つかることがほとんどです。結石ができる場所によって症状の現れ方も異なります。腎臓に結石がある場合は、痛みはほとんど感じません。そのため、自覚症状がなく、人間ドックや健康診断で見つかるケースがほとんどです。ただし、症状がないからといって放置していると、腎臓の中で大きくなりすぎて、腎機能が低下する恐れもありますので、無症状でも定期的に検査を受けたほうがいいでしょう。尿管に結石がある場合は、石が詰まって尿が流れなくなるため、背中や脇腹に痛みが出ます。
尿路結石の予防法
尿路結石の予防法の基本は、飲水量や食事内容に気を付けることです。
飲水量は1日2L以上が目標で、水や麦茶、ほうじ茶などがよいといわれています。また、シュウ酸を多く含む食品は注意が必要です。シュウ酸は尿路結石のもとになる成分で、ほうれんそうやレタスなどの野菜、ナッツ類、チョコレート、バナナ、たけのこ、コーヒー、紅茶、緑茶などに多く含まれます。しかし、こうした食品には他の栄養素も多く含まれており、全部避けるのは現実的ではありません。シュウ酸はカルシウムと一緒にとると、尿ではなく便と一緒に排泄されるため、シュウ酸を多く含む食品はカルシウムを多く含む食品と一緒にとることがおすすめです。
食生活とのかかわりが深く、結石ができる人の多くが糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病予備軍であるともいわれています。
予防法としては、十分な水分を摂取することが重要です。食事以外に1日2L以上の水分補給をし、1日尿量を2L以上とすることで、結石再発リスクを61%に減少できるという報告もあります。
膀胱炎
膀胱炎は、大腸菌(E.coli)と呼ばれる一種の細菌によって引き起こされる、膀胱や泌尿器系の感染症や炎症のことです。その結果、尿意切迫感、血尿、排尿時の灼熱感が生じます。
膀胱炎の原因
膀胱炎の原因はタイプによって異なります。感染性膀胱炎は細菌感染が原因ですが、非感染性膀胱炎には間質性膀胱炎、異物膀胱炎、化学的膀胱炎、薬物誘発性膀胱炎、放射線膀胱炎などがあります。
女性に膀胱炎が多い理由
女性は尿道が短く、尿道と肛門が近いため、細菌が尿道から入りやすく、男性よりも膀胱炎になりやすい構造をしています。そのため女性の場合、原因となる菌は大腸菌がもっとも多いです。
膀胱炎の予防
膀胱炎の予防には、水分を多めに摂り、頻繁に排尿することが重要です。
膀胱炎の予防については以下のことが推奨されています。
- 水分をたくさん摂り、排尿の頻度を上げることで、尿と共に膀胱内で増殖した菌を外へ出すことができます。
- 湯船を使わず、シャワーを使います。
- 膣と性器を洗い、清潔で乾燥した状態を保ちます。
- 性交後に膀胱を空にします。
- 性器に消臭剤やスプレーをつけないようにします。
膀胱炎の治療
膀胱炎の治療においては抗生剤が処方されます。抗生剤には感染症の原因である細菌を殺す効果があり、抗生剤を服用し始めてから通常1~2日以内に症状の改善が見られることが多く、およそ3~5日以内に治ることがほとんどです。
ただし、症状が改善しても処方された抗生剤は途中でやめずに飲みきるようにしてください。抗生剤を飲み切らないと、膀胱内から細菌が完全にいなくならず、再発する可能性が残ります。また、必ずもう一度病院を受診して膀胱炎が改善しているかを確かめることも非常に重要です。